第186回 隠語大事典と国語大辞典

`01.7.31(火)寄稿

今の時期、室蘭は「祭」の季節だ。もっとも室蘭ばかりではない。先日、日曜日、苫小牧の自主映画劇場の「シネマ・トーラス」ヘ、イタリア映画の「マレーナ」(ヒロインを演じるモニ・ベルッチは「豚に真珠」イヤまちがった「イタリアの宝石」と言われるモデル出身女優。いい女です。)を観にいったら、途中の白老でも、漁港祭とやらで「ビーチバレー」をやっとたし、苫小牧も港祭りで、、、そのせいか、映画館は我れら夫婦のみで、貸し切り状態。帰路、目も疲れたので、錦町の「万歳湯」に入ったら、こちらも山の湯よろしく閑散としておった。 続きを読む 第186回 隠語大事典と国語大辞典

第174回 褌の話と賢治の音楽

`00.11.30寄稿

大分前になるが、「あんな本・こんな本」で新穗栄蔵著「ふんどしの話』(JABB出版)を取り上げたことがある。新穗さんは、千歳市在住の矍鑠(かくしゃく=年老いても丈夫かつ元気なこと)たる御老人で、ナニシロ、ベルリンだかで開かれた水泳大会にも「赤褌」で出場し、ナントカ級で第一位金に輝く(と言っても出場者は他にいなかったいううが、)実績を持った人で、その身につけた「赤褌」が、外国の審査員の間で問題になったときも「これは日本の伝統水泳着であると押し切ったひとだ 続きを読む 第174回 褌の話と賢治の音楽

第181回 翻訳の力

`01.4.18寄稿

大学1年の夏休みの宿題にとて、ウイン先生から「シンクレア・ルイス」(Sincla Lewis、1885−1951,アメリカ)の代表作「Main Street」を読んでくるように言われた。

張り切って訳しにかかって、とにもかくにも大学ノート何冊かにまとめたが、ちゃんと読めたのかとなると、とてものこと自信がない。大体、辞書に出てこない言葉が次から次と〜と言う感じで途方にくれたが、後年(1971年)、斉藤忠利の訳で出た岩波文庫本、全3巻の「本町通り1 」を読んで、成程なあと了解したのは、いわゆる俗語(スラング)の頻出(ひんしゅつ)が、読者を悩ませるもとだったのだ。

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  1. シンクレア・ルイス斉藤忠利訳.本町通り.岩波書店 (1970) []

第180回 フランスロマン派文学

`01.3.30寄稿

「貴方、『エルナニ』って御存知?」「エッ、ナニ?」「エルナニ!!」「エッ、それナニ?」。こりゃだめだ。

「エルナニとはね、ヴィクトル・ユーゴー作の戯曲の名前な。」「ユーゴーって、あの『レ・ミゼラブルーああ無情1』を書いた人?」

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「そう、読んだことがなくても、アンリニークインやジーナー・ロロブリジーターの出演になる『ノートツダム・ド・パリ』位観たことあるでしょ。ユゴーはね、文学的には『ロマン主義文学』と言われる文学運動の一派の。まあ、親玉みたいな人だった。そのユーゴーが自分達『ロマン派』の前に立ちはだかる『擬古典派』と呼ばれる大家達を打倒すべく作りあげたのが『エルナニ』なの。」 続きを読む 第180回 フランスロマン派文学

  1. ビクトル・ユーゴーレ・ミゼラブルーああ無情.講談社(1989) []

第179回 スティーヴンスンによる龍馬と吉田松陰

`01.3.9(金)寄稿

「アマゾン.ドット.コム」なる企業がある。インターネットや電子メールで最初は本を売っていたが、今や急成長して、CD.ビデオ.DVD.おもちゃ.ゲームまで売りまくっている。お客は世界200ヶ国に2900万人いる由.そこが札幌に出店して来た.世界で9ケ所目だ。

ところで「テクハラ」なる言葉を御存知か?「セク」では無いぞ。「テクハラ」とは年若なのが、機械をいじれぬ、或いはこなせぬ中年以上を「何でこんなこと出来ないの!」といびることを言う、、、由。先日「ドットコム.どこが混むのと聞く上司」と言うのが「サラリーマン川柳」で入選したが、これも、案外「テクハラ」の部類じゃアンメイカ。 続きを読む 第179回 スティーヴンスンによる龍馬と吉田松陰