司書独言(108)

`10.8月寄稿

○月○日 我が庭でアジサイが花盛りだ。3種類ある。「墨田の花火」などといい名だが、無論品種改良でつけられた名だ。花の色が変化するから、七変化と言われ、化花(ばけばな)幽霊花(ゆうれいばな)などとも呼ばれるが、私としては頓着無しだ。アジサイは湿気を好み、水気青を吸うから、昔は脚気の病人の病室に吊るした。脚気は水気を取れば治ると信じられていたからだ。アジサイを紫陽花と気取って書く人がいるが、これは間違いだ、と植物学者・牧野富太郎が指摘し、私も「本の話」で取り上げたことがあるが。この常識、万人に行きわたったようには思えない。 続きを読む 司書独言(108)

司書独言(94)

`09.6.20寄稿

○月○日「〜本を取り落としてしまう程笑いころげながら読み進むうちに〜」なんて文章を綴る書評家が結構いるが、私は原則としてそう言う大袈裟な表現は使わないことにしている。しかし、このニュースは大いに笑った。 続きを読む 司書独言(94)

司書独言(95)

`09.7月寄稿

○月○日  先頃某紙で「私立図書館奮闘中」と題する記事を読んだ。副題が「昭和初期の美術書所蔵・富山の“眉丈文庫”」。高岡市と言えば銅器や漆器産業で有名だが、此所で呉服商を営んだ金田眉丈(びじょう)なる人が、高価な美術書を揃えたのが始まりで、その目的は若い職人達の勉強の足しになればと言う物で、自宅で公開して来た由。 続きを読む 司書独言(95)

司書独言(96)

`09.8月寄稿

○月○日  十勝のレロレロ酩酊元大臣が、日本国のために断酒を誓った、と新聞にでている。何と大袈裟かつ恩着せがましい事か。有体は失職を恐れる自分の為だろうが。靴を投げられたあの馬鹿ブッシュはその後匙を投げられて引っ込んだが、飲酒運転、窃盗、乱闘で逮捕歴3回と言う男だ。この強者は40才のバースデーパーティに乱酔して、あろうことか一番恐れているパパブッシュに絡んでしまった。 続きを読む 司書独言(96)

司書独言(97)

`09.9月寄稿

○月○日 大東亜戦争の時、私は国民学校3年生だったが、父親の判断で洞爺湖温泉に疎開した。学童疎開は室蘭ではなかった筈だから、疎開したのは我等兄弟だけだった。場所は万世閣ホテルの道を挟んだ略略真ん前。「飯野さん」と言う父の友人の小料理屋(だったと思うが)の裏の離れだった。 続きを読む 司書独言(97)