第5回 ふくろう文庫特別展in輪西「浦上玉堂展」

2010年初のふくろう文庫特別展を開催します。

主 催:ふくろうの会
日 時:2010年4月22日(木)10:00〜 19:00
会 場:ぷ らっと。てついち集会室 (Powered by Google)
入場料:無料

特別展輪西5浦上玉堂

主催 ふくろう文庫

協力 室蘭消防本部


第264回 僧侶の現実 

`07.8月寄稿

「悪い坊主1 」のまんがきはいきなりこう始まる。「悪い坊主ーなんて今さら言ったところで誰も驚きやしないだろう。坊主が悪いもんである事は、クソ坊主のたとえもある。〜」。これが当ってるかどうかは私は知らぬが私がこの本を2Fの閲覧室から抜いて来たのは、目下興味がある、或いは知りたいと思うことの答えがあるように見えたからだ。知りたいと思うことの10%程の答えが出ているのは第4章「悪い坊主実証例」の所で、その例の3番目が「納骨堂にランキング」と題する所だ。

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  1. 田村恵照.悪い坊主.データハウス(1992) []

第069回  永井荷風の「四畳半襖の下張」裁判

`95.4月19日寄稿

文化勲章受賞者、永井荷風の春本(今風にいうとポルノ)について、古今の作品を引きながら縦横に論じた好著、矢切隆之の『なぜ「四畳半襖の下張」は名作か1 』を“まこともって同感の至り”と心地良く読み終えて寝た、翌朝3月31日のことです。

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  1. 矢切隆之.なぜ「四畳半襖の下張」は名作か。三一書房刊(1995) []

第059回 澁澤龍彦の翻訳姿勢?

`94.10.12寄稿

今、若者の間で、フランス文学者にしてマルキ・ド・サドの紹介者だった故澁澤が人気絶頂の由。その澁澤が選んだ「ポルノグラフィベスト50」なるリストが角川文庫「読書の快楽1 」にのっています。

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面白いリストですが、これが実に不親切というかいい加減なものです。例えば、ヴェルレーヌ「オンブル」(出版21世紀)

と出ています。これは当時新本で20万余もした本です。この値段を知らずに、もし読者が注文にしてしまったなら、どういうことになるのか。もっともこの本にあげられた1000冊のリストには、全て刊年も値段もついていませんから、これは、編集者の責任で、澁澤を責めるのは筋違いかも知れません。

因みにこの「オンブル」は、平成2年に池田満寿夫の挿絵入りで出た「詩画集、男と女」に収められましたが、残念なことに今は絶版です。

又、ゴーティエ「女議長への手紙、(学芸書林)とありますが、こんな書名の本はありません。正しくはティオフィル・ゴーチェ.長田俊雄訳「サバチェ夫人への手紙2 」(学芸書林)です。これも絶版。

又オスカーワイルド「テレニー」(未訳)とありますが、これも間違いで昭和45年に二見書房から、宮西豊逸訳の「テレニー3」が出てます。

更に又、ピエールルイス「三人娘と母」(蒼濡都(さばと)館近刊予定)とありますが、これは果たして出版されたかどうか?

私が持っているのは、津久戸俊の訳で「母子特訓4 」という妙なたいとるになっています。これも絶版。   etc.  etc

又、澁澤はベスト50のリストのトップに自分の訳になるサドの「悪徳の栄え』をあげていますが、これも一寸、ヌケヌケという感じでいただけません。

と言うのは、1959年に現代思想社から出た「悪徳の栄え5 」はそれ自体完訳にあらず、既に妙訳でしたが、不幸なことに官憲によって発売禁止となりました。

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澁澤と現代思想社は当局のこの処置に抗して裁判で争いましたが、結局負けました。

それですから現代思想社版以外の「悪徳の栄え」は、全て抄訳の上、裁判で削除された部分が入っていない少々きつく言うならば一種の欠陥本なのです。それをそれをリストの最初にあげる、こういう点が一読者として私は好きではありません。

サドの「ソドムの百二十日」の澁澤訳もタイトルは完全ですが、序文が訳されているだけで原書の六分の一に過ぎないものです。これも羊頭狗肉(ようとうくにく=羊頭をかかげて狗肉=(犬の肉)を売る、=看板に善いものを示して悪い物を売る)のような感じがします。

昭和30年に出たサドの「恋の駆け引き」以来私はずっと澁澤を読んで来ましたが、今回は、彼に対するいささか苦い気持ちを書いてみました。

  1. 安原顕編.読書の快楽.角川書店(1985) []
  2. ゴーチェ長田俊雄訳.サバチェ夫人への手紙.学芸書林(1964) []
  3. オスカーワイルド宮西豊逸訳.テレニー.二見書房(1964) []
  4. ピエールルイス津久戸俊訳.母子特訓.光文社(1986) []
  5. マルキ・ド・サド.悪徳の栄え.河出文庫(1990) []

第068回 中村屋カリーの由来 他

`95.3月17日

兄に連れられて、初めて上京したのは中学2年の時でした。新宿御苑で、一周10円のスクーターに乗って喜んだ後行ったのが、新宿の「中村屋」でした。ここでかの有名な「カレーライス」を食べました。カレーとライスが別々の器で出て来たのにも驚きましたが、カレーが液体に近く、スプーンですくってかけると、御飯の上に乗っからずに、米粒の間に浸透して消えたのにはびっくりしました。そしてカレーの中に、骨付きの肉の固まりと、丸ごと、と言った感じのジャガイモが1個宛デンと座っているのが、驚きの仕上げでした。 続きを読む 第068回 中村屋カリーの由来 他