司書独言(210)

◯月◯日/この間、日産のゴーン会長の保釈時の変装をコスプレ好きと、籠池理事長の俳句好きを笑う川柳が載っていた。この理事長確かに事ある毎に一句ひねる癖がある。今回「あんな本〜」にあげた「”安倍晋三”大研究」には最後に望月記者と籠池夫妻の対談が載っている。籠池は”嘘をつき通す”安倍について安倍が育った環境に「嘘をつくことがダメなんだぞと言うこと(言われること)がなかったんでしょう」と言い、「けれども、国家国民に対して嘘をつき通していくというこの状況は、もう何と言うか、サタンに魂を売ったキリスト者のようなものですよ。そんな事許されることじゃない、絶対ダメ」と言って最後に一句ひねる。「奸臣の 安倍一強に 春遠し」貴方なら座布団何枚あげる?

◯月◯日/大分前に光文社から出た「ぶったまゲーション」なる新書がある。雑誌「アンアン」に出た女性のみの投書を集めたもので、面白いこと無類。例えば「うちの爺ちゃんは何故か、シナトラのマイ・ウエイと言う所を何だべエーと歌います」とか「私の兄は銭湯に行く前に、湯を汚しちゃ悪いから、と身体を洗ってから出かけます」とか、「私は◯◯歳で妊娠中です。先日玄関前で涼んでいたら近所の6年生の男の子が自転車で前を通りざま”おっ、オバチャンsexしちゃったね”と言いました。ンモウー、この生意気な糞ガキ!」。

◯月◯日/私はテレビを見ないが時代に遅れぬために番組欄は丹念に見る。そして心中、よくもこう阿保たんけの事ばかり続けられるものよと呆れている。その阿保の中でも最たるものが現れて私は先述の糞ガキのセリフを思い出したのだが、その最たるものとは、40過ぎた女性の私的なおもてなしに、鼻の下を伸ばした未熟な30後半の男性政治家の、早い話が”出来ちゃった話”これ普通なら親か兄弟か親戚から”おっsexしちゃったね”の一言の後”よかったね”か”困ったね”で済む話・・・と思いきや、カンテイでの発表ときた。

◯月◯日/「カンテイって何だろう」と思ったら本当に官邸だった。この二人自分を何様だと勘違いしたのだろう。国民に何の関係があろうかや。ところが、これに関して麻生のコメントが又ひどかった。「これが漏れななかったってのは、日本の新聞がいかにリサーチ力がないかって事だ。そうだろう!!と言った意のもので・・・たとえ日本の新聞の力が劣化しているとしても、何のためにこの”馬鹿ップル”の後を新聞が追わなきゃならないのか。当の2人も麻生もこれを報ずるテレビも、又それを見て「◯◯ロス起きるかも」なんて事をぬかす馬鹿タレ(ント)も、フーテンの寅さんの叔父さんのセリフを借りれば「馬鹿だねえ、本当に馬鹿だねえ」をあびせられてもいいのでは?

◯月◯日/名古屋在住の思想家矢部史郎は自著「夢見る名古屋」で、この近世随一の城下町が戦後に作られた幅100米の馬鹿でかい2本の道路によって破壊された事を嘆いている。そこの市長が今回「あんな本〜」で取り上げた美術展中止の張本人たる河村たかしだ。もっとも巨大道路については河村の責任はないが、今回の憲法違反的言論弾圧事件を起こしたこの御仁、今年の2月、地方議会のあり方について「オヤ?」と言うような発言をしている。

◯月◯日/曰く、「報酬を納税者と同じくする事が哲学でないといかんのですよ」と言って、名古屋市長の退職手当を含めて1年あたり3,800万円の報酬を、厚生労働省の統計を調べて「60歳、大卒、男性」とほぼ同じ800万にしたというのだ。更に彼は「多くの自治体では首長と議員がつるんでいる」議員が「家業化」している事の害を訴え、「高すぎる報酬を市民並みに下げればいい」と主張する。これ正論じゃないのかね。

◯月◯日/給料カットといえばすぐ新道知事の事が報じられるが、某誌の7月号に「中国系企業に10億円利供与疑惑」との報道が出て、給与カットも美談ではなさそうな気配だ次の報道にどう出るか。

◯月◯日/これを書いているのは8月10日だが、わが庭には真狩産のスカシユリが200株ほど全開、木槿も今年は花が大きく満開だ。そんな中、我妻さんが「白いのが来たわよ」と言う。白い?実はこれはセイヨウオオマルハナバチの事。1992年にトマトの受粉用に本格的に利用されるようになったが、生態系をこわすとて、環境省と農水省とが2020年まで利用を半減させるとしたものだ。それが1996年に北海道での定着が確認された。つい先日伊達の専門家が駆除に苦労していると出ていた。わが庭には去年まで在来種が来ていて、本当にやわらかいと身体をさすってたりしてたが、今初めて尻の白いのが現れた訳だ。さて、どうしたものやら。

◯月◯日/官邸と言えば先日、西川きよし(だったか、横山やすしの相棒で国会議員になったお笑い芸人)がタレント数人と官邸に赴き、正しく安倍の提灯持ちをした後、中の1人(裸でナニやらをするのが売りの男)が、安倍を前にして笑わせた云々のニュースが出た。また大泉洋と高畑充希(と言うのか)が、安倍と一緒にスマホに収まった姿をツイターとやらで披露していると週刊誌に出た。この連中何故そんな事をして得意がっているのか何のために安倍所に集まらなきゃならないのか。此処で私は小沢昭一を思い出す。

◯月◯日/小沢は「河原乞食・考」で言う「体制側に組み入られた時、その芸能は輝きを失って滅びる方向へまっしぐら。反対側にいる限り、芸能は涙と怒りを腹に込め、猥雑、放埓などハレンチな毒をもドップリと包んで。みずみずしく、溌剌として民衆を楽しませるのっである」この言葉を前出の馬鹿タレントと三文役者達はどう考えるだろう。私思うに、小沢は大根だったが、芸能研究と役者魂は立派で、だから私は彼の著作と各地の芸能を調査したレコードなどは皆読み聞いてきた。

◯月◯日/10号台風の中を私が仲人した室工大の卒業生2人が逢いに来てくれた。建築家の根元君は仙台から8/16〜19まで、工業高校の教師の市川君は大分から8/18〜21まで滞在した。我が家は本で溢れて彼らを泊める事が出来ないので、私たち夫婦は彼らのホテルに泊まり、夜は飲みに出て積もる話に花が咲いた。前に来た時に2人は「ふくろう文庫」に寄付してくれて、根元君のお金では中国の国宝「清明上河図」やメゾチントノ「浜口陽三自選作品集」他買え、市川君のでは日本の国宝「陽明墨宝」や「小川芋銭全作品集」を揃える事が出来た。根元君は「ふくろう文庫の」のリストを全点リストアップし、それを宮城県立美術館の蔵書と較べてみて、如何に「ふくろう文庫」に逸品が揃っているかを示してくれた。帰りがけ2人はまた寄付をしてくれた、ありがたい。彼らの好意に応えていい本を揃えるつもりだ。

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司書独言(208)

◯月◯日/ 日常、肉を全く食べたいと思わぬ口の私には関わりのない話だが、消費者庁が5月末に日本マクドナルドに課徴金全2,171万円の支払いを命じた言う。成型肉を出していたのに、TVコマーシャルでは、ローストビーフに牛ブロック肉を使用しているかの如くに広告しているからだと言う。その前日には米マクドナルド社の女性労働者らがセクハラを受けたとして提訴したとのニュースも出た。私は小腹が空いた時にフライドポテトを食べに入った事があるくらいの店だが、ブラック企業に近いのかな。

◯月◯日/ トランプの来日で腹立たしいことばかりだったが、その中の一つが国技館の椅子。他の人が正座かあぐらでいる所へ、まるで屏風でも立てたようにトランプらと側近、それにSPらしきものが座って、あれでは後ろの人間は見えないじゃないか。呆れたことにこの椅子、注文品で一脚50万円だと言う。バカ夫婦組しめて200万円。湯水の如く税金を使ってくれる。付き人の椅子も50万円か?まさかね。「血税でゴルフ相撲に炉端焼き」「相撲史に汚点を残すおもてなし」etc.の投句が新聞に続出したのを見れば、誰しも思いは同じだろう。これどこの製品だろう。よもやニトリじゃあるまいな。ニトリはそんな高い椅子ないよって。果たしてそうか?

◯月◯日/否々、私がニトリではと疑うのには理由がある。私はこの「ひまわり」の今年4月号の「あんな本・こんな本」で「アベ友トンデモ列伝」(宝島社刊)を紹介したが、それにニトリの社長、似鳥昭雄が安倍とその閣僚6人に4年間で2170万円を献金したとある。さらに2014年に安倍が中南米を歴訪した時、似鳥が同行して原料調達先を探していたと出ている。庶民向けの家具屋ニトリの売り上げが、安倍への献金に変身すると分かると嫌な気分になる。

◯月◯日/ この一脚50万円の椅子で相撲を見たり、トランプは安倍が指す人物数人と握手したが、それが誰かと思いきやあの櫻井よしこに金美玲、桜井はいまおいてこの金なる婆さんは、自宅マンションに安倍他を招きパーティを開いて喜んでいる自称「安倍のバアヤ」の茶髪の台湾婆さん。

◯月◯日/ この婆さんは以前「国際会議に出席すれば、安倍晋三の回りに各国首脳が集まり、助言を求める。こんなリーダーが日本に現れるとは夢にも思わなかった」と書いていて、「”日本スゴイ”のディストピア」の著者早川タダノリから、「ヨイショのしすぎで事実認識が混乱しているのか”夢”を見ながら原稿を書いているのか・・・としか言いようがない」とからかわれた困った婆さんだが、これだけヨイショすりゃきっとすごい「みかえりが」が来るんだろうな。政府はこの相撲に1,000人分の席を確保したというから桜井もこの台湾婆さんんもその中の一人な訳だ。安倍ヨイショの評論家門田隆将もいたと言うが、皆して乞食根性の連中だな。この招待料全部税金だぞ。

◯月◯日/中央公論6月号で安倍と対談した田原総一朗が「トランプに言いたいことを言えるのは安倍さんしかいない」と台湾婆さんと似たようなことを言っている。「安倍のバアヤ」と組んでいたのは、これも自称「安倍のジイヤ」ことまるっぱげの三宅の爺さんだったが、この爺さんは死んじゃったから、今度は田原がそのあとに座ろうと言う訳か。常々信用ならぬ男だと思っていたが、田原も焼きが回ったか。これで口角泡をとばすだけのナマクラだな。とんだ「アベ友」だ。

◯月◯日/先月のこの欄で1945年3月10日東京大空襲で10万人を殺したB29の総指揮官カーチス・ルメイを表彰する日本政府の馬鹿さ加減について書いたが最近初耳の事実を知ったのでそれを此処に移す「米軍は日本のヒノキに似た建材を用意し、たたみや家具にいたるまで忠実に再現した家屋を建てて長屋街を造った。木材の含水率まで調整したり、雨戸を開け閉めして燃え方の違いを確かめたりして、極めて周到に焼夷弾実験を行ったという」。どうだろうこの妙な実験精神、計算尽くして殺しに来ている訳だ。戦中日本は「鬼畜米英」を唱えたが、英は今おいて米の方は正しく鬼だな。

◯月◯日/ 天安門事件が起きて30年が過ぎた。東大の阿古智子准教授によると、習近平達はこれを「反動分子による動乱」と定義して、中国民主化を求める市民や学生などの平和的デモという立場を未だ否定していると言うさもありなん。習近平は2014年には全国の農村に図書館を作ろうと言う運動を禁止した。民衆を無知のままにして、つまりは徳川幕府の「知らしむべからず」的態度を続けると言う訳だ。このことは逆に図書館の持つ力を証明している「知の拠点」たる図書館が果たす役割、つまり啓蒙だ。啓=けい=開くこと、蒙=もう=知識不足、2つで必要な知識を与え、知的水準を高めることだ。政権は民衆を「無知な集団」にしておきたい。それに抗するのが図書館だ。

◯月◯日/名古屋大学教授で科学者の軍事研究に反対してい池内了が雑誌でサウナの知能を強調している。それで6月5日温泉に行ったついでにサウナに入ると、中のテレビが蒼井優と山ちゃんが結婚と言っている。私はテレビを見ないからこの山ちゃんを知らないが、優の方は「フラダンス」で知っている。この時はうまい役者だと思ったが、その後見た.3本は皆下手で題名も忘れた位だ。1日おいて6月7日再度サウナに入ると今度はリンチーリンとエグザエルのアキラ?が結婚とやっている。アキラは知らないが我が家の向かいの家族がエグザイルのファンらしく車に大きくエグザイルと書いているのでこのグループの名前は知っていた。リンチーリンは「レッドクリフ」と「101回目のプロポーズSAY  YES」は良かったが、その後見た北海道舞台のナントカは下手だった。サウナに入ったおかげで筋肉もほぐれたし、2つの結婚も知った訳だ。我が人生に関係ないけどね。

◯月◯日/ インド映画「ガンジスに還る」を観た。中流家庭の爺さんがもう死にそうだからバラナシに行くと言いだす。ここはガンジス河畔の聖地で、遺骨を此処で流すと天国への道が近くなるとの信仰の場所だ。見ながらヤレヤレと思っていた。というのは去年の4月頃此処の水質の検査があり、なんと基準値の5倍から13倍の糞便性大腸菌が検出された所なのだ。ガンジス川で沐浴するのは、ヒンズー教で「罪を川に流す行為だとは承知しているが、何ともはやバッチイ事。映画の中でも沐浴はおろか、口まですすいでいる。呆れるしかない。

◯月◯日/ 序でだからインド映画をもう一つ。「ダンガル」。女子レスリングがテーマの実話物。元チャンピオンの父親が息子が生まれたら仕込もうと意気込むが、生まれたのが女ばかり4人。ところがその長女と次女にレスリングの才能があって遂に世界チャンピオンになると言う話。父親のしごきに近い猛特訓の下〜と言う話でおもしろい事無類。姉妹を演ずるのが現職のレスラーかと思いきや、これが美人女優と分かって感心した。インド映画は時とすると筋に関係なく歌と踊りの場面が出てきて”又か!!”とげんなりする事が多いが、これは踊りなし、とにかく面白く見終わって氣分さわやか!!

◯月◯日/ 今言ったようにインド映画では話の筋に関係なく突然集団で踊ったり歌たりする。何でかな?と言っても始まらない。とにかくそういう仕掛けになっている映画館の観客もその場面が来ると一緒に踊って楽しんでいると言う。ところが最近、あたり前の事だが筋が重要視されて、ストリーに関係のない踊りの場面が少なくなった・・・はいいが、群舞で踊っていたダンサー連中の仕事が少なくなると言う結果になって、社会問題化していると言う。

◯月◯日/ 5m余りも伸びたヒバの下に雀の巣らしき物が2個落ちている。先日来梢の上で賑やかだったと思っていたら、こんもりと茂った葉の中で巣作りしていたんだな。カラスにやられたようだ。以前向かいの家の車庫の軒の中に雀が巣造りしたら、カラスが覗き込んで卵を落として食べるのを見た事があった。にっくきカラスめ。もっとも雀を可哀想だとて飼おうとしても鳥獣保護法で禁止だと言うから、自然の摂理に任せておく他ないか。

◯月◯日/ 余り咲かないので植えた時期も忘れてしまった「スモーク・トゥリー(Smok tree)=煙の木」が今年は暫く咲いていて我妻さんが喜んだ。これウルシ科のコティノス属なる落葉低木。花が羽毛状で、枝全体煙がかかる。咲かなかったのは木の責任にあらず、我が庭の地味(ちみ)が肥えてなかったからだろう。

◯月◯日/ 6月16日スイス全土で男女平等賃金・女性差別一掃を求めて数十万人の女性ストがあった.1991年二最初のストで、これが2度目と言うから妙な感じだ.何でもスイスでは1985年迄女性が就職するのに夫の同意が必要で、産休が法制化されたのは2004年だと言うから遅れている。あのリンゴの話で有名なウイリアム・テルが自由と独立を求めて立ち上がったのは14世紀の話。とてものことこれほどの英雄を生んだ国とは思えない国の状況だ。聞いてみなけりゃ分からんものだなあと言う話の実例だ。因みに我々はウイリアム・テルと言うが、これはwilhelm  Tell の英語名だ。

◯月◯日/ これが出る頃にはアジサイも咲く頃だろう・・・と思って知ったかぶりを一つ書く。この頃矢鱈と流行りだがレストランなどで料理に季節の花をつける。これ1970年にフランスで始まったトいう「ヌーベルキュイジーヌ=新しい料理」なる動きの表れだそうな。そこで得意げにアジサイを付ける店も出る。しかしアジサイの蕾や葉は有毒だ。実際中毒事件も起きている。刺身のツマとは全く違う。ゆめゆめ通ぶって食うなかれ。

◯月◯日/ 我が家の庭には自称ヨン様桜が6本あるが、これ皆サクランボ(佐藤錦)を食べた後、私がペッペッと吹き飛ばした種から自生したもの。先述のスモーク・トゥリーではないが、地味が肥えていないせいか花の数は至って少ない。それでも今年は20輪ほどついて年々増えてはいる。この佐藤錦は毎年秋田の西方家から届く。それが6月16日の日曜日、今年も着いた。晩酌しつつ一粒ずつ嬉しく味わった。これ物の本をそのまま写すと①主成分のブドウ糖は吸収率よく脳の働きをよくし②貧血予防の鉄分③血圧予防のカリウム④坑酸化作用のポリフェノールと栄養価が高い果物。これに私が足すと、プッーと種を飛ばすことで肺機能を強化し、飛んだ種は桜となって目と心を癒し、かつ緑化運動ともなりーで誠にGood、大いに食べるべし、と言いたいがその値の張るのが「たまに瑕」。こうやってたっぷり食べられるのも西方家のおかげだ。

 

司書独言(206)

◯月◯日/ ギリシャ文化と仏教文化を結合した「ガンダーラ美術」を生んだのがスリーランカだ。スリは光り輝くor聖なる意で、ランカ島はシンハリ語で「ラーマヤナ」(古代インドの叙情詩)に出た名前。2語合わせてこの国名1972年に出来た。 続きを読む 司書独言(206)