司書独言(146)ふくろう親父の㊙日記

2013.12寄稿

○月○日、本屋に猫のカレンダーが山と積まれ、かつ吊るされている。猫派の私は必ず開いてみるが、どれも大の字になって、或いはそれでも足りなくて弓なりに反って、当然腹丸出しに寝ている猫がいる。 続きを読む 司書独言(146)ふくろう親父の㊙日記

司書独言(145)

○月○日 マッド・デイモン主演の「エリジウム」がDVDで出た。国民健康保険のないアメリカでの格差社会の現状を踏まえての近未来物だ。デイモンはハーバード出のインテリでオバマの支持者だが、最近オバマ批判に転じた。その理由の一つが無人機攻撃で、憲法を教えていたオバマの政権がこれを行う事に対する抗議だ。これはまともな人間なら皆指示する事だろうが、グレイソンなる下院議員が言うには「罪のない人たちが亡くなっている事は受け入れられない」と。これは佳しとして、続く言葉「無人機攻撃は逆効果、もっと良い方法がある筈だ」には呆れる。もっと良い方法とは何たる言葉だろう。

○月○日 もっと呆れるのは赤十字国際委員会での討議。「戦争テーマのビデオゲームで、プレーヤーが市民を攻撃したら減点などのペナルティー(罰則)が科されるようにすべきだ」と。又「戦場ではなにが許されないのか、ビデオゲームを通して若者に知ってもらいたい」とも。阿呆か!と言いたくなる。罰則云々じゃなくて、戦争を教えるゲームなんてもの、そのものを禁止すればいいじゃないのか。そもそも「許される戦争」なんてものがあるのか。プーチンがオバマにノーベル平和受賞者としてシリア軍事介入を止めるべきとよびかけたとの報道があったが、オバマも恥ずかしくないのかね。佐藤栄作やオバマの受賞を観ると、ノーベル賞の価値も下がるというものだ。

○月○日 前に「本屋大賞」なる賞をとった百田尚樹の有頂天な態度は不愉快と書いた。本屋の店長が選んだとあるけれど、大型書店の忙しさを見ていれば、店長には本を読む時間はなさそうで、とすれば帯の文章位で判断して、面白げなものを手っ取り早く取り上げたとしか見えない。この百田の小説全体を「右傾エンタメ」と定義(?)したのは、石田衣良で、私は外見ヘナチョコに見える石田を見直した。

○月○日 その石田の見方が誤っていない証拠に、この「エンタメ右翼」が今度NHKの経営委員の一人として名が挙がった。安倍と意気投合した結果のあからさまなる論功行賞だ。百田は天にも昇る気持ちだろうだろう。百田と共に名が出ているのが哲学者と称する長谷川三千子。哲学も地に落ちたもんだが、ヒトラーを支持して後世に恥をさらしたハイデッガーという大物の例もある。長谷川は学者?らしくもなく前者の轍(わだち)を踏んだ訳だ。お気の毒にも愚かなことだ。

○月○日 私は椎間板ヘルニアの持病持ちだが、いつぞや追直浜を散歩中、漁師から何十個ものノナ(紫ウニ)をもらった事があって、立ったままでその殻割りに数時間もかかった事があり、その結果腰の痛みは大変なものだった。それが先頃「釧路内燃機製作所」が1分間に100個の殻を割る「新ウニ割りくん」を開発した由で、その能力たるや人間の3人分だと言う。機械工学を修めた連中も、「無人機」なんぞという馬鹿な開発は止めにして,回転寿しだとか、この「ウニ割りくん」とかの、平和で誰しもが喜ぶものの開発に止めて欲しいもんだなあ。

○月○日 ここで再度「無人機」で思い出したが、ライフル銃が発明された当時、これを使って丸腰の人間を追い立てる映画があった。題名が「人間狩り」だった筈と探してみるが出て来ず、内容しか思い出せぬ。ライフルの射程距離は知らんが、映画では撃つ側が肉眼では見えぬ、という設定。ナンダカ無人機と重なる発想に思えるね。

上記の映画で狩られる罪もなき側はメキシコ人だが、最近のA.バンデラスとJ.ロペス主演の「ボーダータウンー報道されない殺人者ー」を観ると、狩るアメリカ人と狩られるメキシコ人との図が今に続いている事が分かる。因みに、メキシコ人はアメリカ人を卑しんでグリンゴと呼ぶが、これは征服者のアメリカ軍隊が緑(グリーン)の征服を着ていたからだ。

○月○日 「睾丸は小さいほどイクメン?」なる記事が出た。へえー、イケメンの一物は小さいのか,ヤレ気の毒な。俺は精神も肉体も締め付けられるのは嫌いだから,ブリーフなるものは穿いた事がないけど、小さいってのはブリーフのせいじゃないのか?と思いつつ、よく読み直したらイケじゃなくて育(イク)で、一物が小さいほど子育てに積極的だ云々でアメリカエモリー大学の研究結果の発表だと。イグ・ノーベル賞向きの研究だなと思ったが,君が世口パクのチェックの方法は?と論議しているどこぞの教育委員会に較べると,悪意がなく,愛せる研究だな。

○月○日 菓子工房モンパリ移転一周年記念の、ティータイム付き、夢輝のあミニコンサートが11月10日夜にあった。元宝塚スターの美貌と美声で快い一夜だった。モンパリ店主の須藤知重子女も、のあの母親黒光ひさ女も,母と一緒に来ていた香川妙女も,芝垣さんも皆「ふくろう文庫」の仲間。美術講座ポスター制作担当の書家・田澤早智子女も、毎回一番乗りして,卓・椅子を並べ,又片付けて一番最後にでる盛田元教育長も,泰子も仲間。この人達が自分の人生の節目に寄せてくれた寄付金で買えた本・掛軸・絵巻・巻子本は,既に80点余に登る。市民の財産が増える喜び、ありがたい・ありがたい。モンパリ2代目の綾子女の挨拶も立派だった。よかった・よかった。

司書独言(144)

○月○日 「ふくろう文庫ミニ特別展」を図書館3Fで開催中。出しているのは福岡の大名黒田家が秘蔵していた「唐絵手鑑・筆耕園」。徽宗(きそう)から始まって孫隆(そんりゅう)まで全60枚の中国絵画を蒐め田もので,重要文化財指定と言う一品。中に夏珪(かけい)の「五位鷺」がある。醍醐天皇が神泉苑で遊んだ時に五位を与えた鷺なることが「平家物語」にあって、これが語源。因みに神泉苑は天皇の遊びのための禁園で,空海がここで雨乞いをした事で有名...てな事を取材の記者に話した翌日の朝刊に、「〜秋の夕暮れ。シラサギの大群に出会った。道も田圃も真っ白。壮観さに、”ワーッ、サギ”と叫ぶと、小2の孫娘が、”あれがオレ・オレってデンワすんの?”」なる御殿場の人の投書が出てた。時代だなあ。

○月○日 隣家のTさんが”自分の所には植えぬけれど、要りませんか”と言うので貰って植えておいたミツバアケビに、この間実がなっていた。5,6月に咲く花は濃い暗紫色で、まことに目立たない。次から次と蔓を延ばしてくるから、庭の手入れ専門の我妻さんは容赦なく切る。関知しないしない私の方は、いつの間にか忘れていたが、そんなところへ、秋田の耿子から「ザクロ」の甘煮が届いた。ジワーと甘みが出てくる噛みごたえがいい。いつも「ふくろう文庫」を手伝ってくれる幼馴染みの泰子にもお裾分けすると、「おいしい―ツ」と力を入れた感想が戻ってきた。すると又々そんな所へ、次の投書が出た「”ぼちぼちアケビの時期かなあー?と子供達と山道を散策。突然小5の長男がぼそっと” 叫びドクロやぶっそうやな”。叫び=アケビ 、ドクロ=ザクロ」。姫路の女性からだ。

○月○日 物騒と言えば、とんでもなく物騒な事が起きている。「秘密保護法案」を通そうとて「特定秘密指定基準」とか言うものが議論されないため、これを危険と見た論者達が、異口同音とまでは行かないが取り上げるのが、かつて澤地久枝が「密約」で描いた、沖縄で政府が演じた、つまりは「噓っ八」事件。これ先年、やはり「密約」があったと判明して、当時これを暴いて逆に罪人とされた毎日新聞の西山記者の冤罪が証明された。この時、「密約」を担当して噓をつき続けたアメリカ局長とかの吉野文六の言い草には呆れた。「西山さんは偉大だと思いますよ」と。人を無実の罪に追い込んでおいて、その真の犯人たる身が相手を偉いと褒めたとて褒められた方は喜ぶものだろうか。

○月○日 この「密約」を小説にしたのが先日死去した山崎豊子で「運命の人」がそれ。これ、映画になってないかとビデオ屋に行ったら、テレビ作品で全6巻と分かったが、全部貸し出し中だった。ビデオと言えば「レーン・宮沢事件」なるドキュメンタリー映画がある由。これ戦時中、北大の学生・宮沢弘幸がカラフト旅行の土産話を北大教師のレーン夫妻にした所、軍機保護法違反となって懲役15年とされたもの。先頃本にもなったこの事件、私は先先月登別での「イブリ連合老人会」で講演を頼まれた時、「皆さん、今は呑気に杖ついてウォーキングと洒落てますが、昔は散歩の時は両手に野草を摘んで食糧の足しにせよ、と言われ、また登山しても、あそこが貯水池、あの建物は図書館などとやったら、宮沢と同じ法律で引っ張られたんですよ。今はいい世の中です」と話したが、皆さんどうもピンとこない感じだった。

○月○日 ビデオと言えば、これまた2016年に米大統領選に出馬しそうなヒラリー・クリントンの半生を描くドキュメンタリー映画やドラマの製作が諸々の圧力で中止になった由。さもありなん。ヒラリー役にはダイアン・レインが決まっていたそうな。ヒラリーと言えば、オサマ・ビンラディンを捕殺した時、シチュエーション・ルームなる部屋で、同時映像を観ながら「口に手を当てる」姿が有名だが、「国際法違反すれすれと言える他国領内での軍事作戦が”危機一発の英雄的決断”だったという感情を見たものに共有させようとの狙いで」オバマが公開したのだということを、NHKディレクターの高木徹がかいている。オバマも呆れるね。

○月○日 先月号でベラルーシのルカシェンコ大統領が、公共の場での拍手を禁止する法を制定し、片手のない人まで誤認逮捕したという馬鹿話を書いたが、そのあとこの大統領がノーベル賞のパロディとして有名なイグ・ノーベル賞を受賞したことを知った。

さて、朝晩ストーブを付ける時期になって、もう直ぐ冬だなと思った所で、一茶の「屁較べが、又始まるぞ冬籠り」を思い出した炬燵を囲んだ情景だなと思いつつ、屁を禁止している国を思い出した。アフリカ南東部マラウイなる国。チャポンダ法相の「屁は空気を汚す軽犯罪」なる発想で法制化。高浜虚子は人前で放屁して平然としていたそうだが、一茶も、虚子もこのマラウイ国では無事では済むまいて。私は根が上品だから、屁一発とて、ちゃんと厠に行く。

○月○日 知らずにいたが7月中旬、エスター・ウイリアムズが死んでいた。「水着の女王」の女優、と言うよりも平泳ぎとクロールの全米チャンピオン。ジェット・コースターみたいな水路を立ったまま滑ってくる水着姿は本当によかったなあ。

 

司書独言(143)

○月○日 「武士道」が好きだからとて「ブシドー」と名乗るドイツ人の人気ラップ歌手が、ベルリン市長で同性愛者のウォーウェライトを、歌で「同性愛者を拷問に」と侮辱し、自由民主党のトルコ系テーレン議員に「死んで欲しい」とからかって問題になっている。

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司書独言(142)

○月○日 敗戦記念日の8月だというのに、そちこちできな臭いことおびただしい.共同通信の石山永一郎によると「靖国神社崇敬奉賛会」なる会の会報に、或る女性ジャーナリストの「外国勢力の横暴を許さないために〜領土を守るには戦争を覚悟するのが大前提であり、それが普通である〜」との文章がある由。ジャーナリストとあるから推測するに桜井よし子だろう。あえて言うが、女だてらになんでこんなに戦争したがるのだろう.又この会の会長が扇千景と来た.人間国宝の旦那も平和あっての舞台、すこしは女房の勇み足に注意出来んのかなあ。鶴見俊輔の「戦争中、体をはって我が息子,我が夫を戦いに行かせぬとした女が一人でもいたろうか?」と言った意味の言葉を思い出し、又太田光のことも思い出した。

○月○日 憲法学者・飯島滋明によると、石破が、憲法改正で国防軍が出来た場合、戦場への出動命令を拒否すると、軍法会議で「死刑」もしくは「懲役300年」と発言したと。この石破が太田光の「私が総理大臣になったら」に出て何やら言った時、太田に「政治家は戦場に行かない」と返されて黙り込んだ由。太田式に言うと、扇にも、桜井にも言えることは「女は戦場に行かない」から気楽なもんだ。

○月○日 富士山が世界文化遺産登録とて思うのだが、上記の威勢のいい連中にやってもらいたいことがある.それは本当に国のことを思うなら、霊峰富士山に向かって砲弾ぶち込む軍事演習を止めろと当局に言うこと。だって、世界文化遺産登録された所で軍事演習ナンテことが行われている所がどこに有るの??一番ふさわしくない行為だ。

○月○日 8月14日 今年初めてトンボを見た.数日前、我妻さんが今年はトンボを見ないわねと言ったばかりだったから嬉しかった。トンボを大昔は「あきつ」といい「蜻蛉州」と書いて「あきつしま」と読み、これ、日本の異称だ。神武天皇が国見をして「あきつのとなめせるが如し」と言ったのが由来。となめとはトンボが交尾をして互いの尾を加えて輪になって飛ぶこと、と言った知識は戦前は常識だったが今は通じない(だろう)。それにしても我が家の近くにはまだ田圃もあるから、こうしてトンボも出てくるが、TPPとやらが通って農家が田圃を放棄して、となったらトンボも居場所がなくなるよな。ソレにしても安倍、橋本、石原、猪瀬と、言うこと成すこと、あきつ島の損になるような事ばかりしてくれる指導者が揃って、変な時代だ。

○月○日 見たと言えば、先日中島でカラスがネズミをくわえて門柱に止まっているのを見た。以前東京で下町を歩いている時、コンクリート塀の四隅にカラスがネズミを追い込み、ネズミが後ろ足で踏ん張って塀に背中をもたせて立上がり、細っこい前足で抵抗するのを見て可哀想になり、思わず足元の小石を拾ってカラスにぶつけたが無駄だった事を思い出した。まあネズミは害だから仕方ないとして、以前は向いの家の車庫の軒下にスズメが巣を作り、するとカラスが覗き込んでは卵をつついて落として道路で割れたそれを吸っているのを何度も見た。まあ、鳩さえ襲って喰うカラスだから、これは自然でどうしようもない。

○月○日 今年は多雨のせいかナメクジが多い気がする。30年前に家を建て庭を作った時、矢鱈とナメクジがいるので、帯広畜産大学の友達に訊いたら、丼に残ったビールを入れておくと沢山入るから、との返事だったが、丼一杯のビールとくれば、こちとらが、ナメクジに成りたい位のもんだし、土台、晩酌のビールは間違っても残らない。伊達の造園屋に相談したら、これを撒けとて沢山の石灰をくれて、それで治まった、。このナメクジ、何でも2億年前からいて、おまけに家しょって歩いて(?)いるカタツムリが進化したものだと言うから驚く。まあ、これとても自然の循環の中で生存してんだろうが、生まれ変わるとしたら、余りなりたくない部類だ。

○月○日 今年は港祭りも八幡神社の祭りも雨にたたられた。ところで、栗山町の鳩山神社は9月13日が秋の例大祭だ。明治27年鳩山の曾祖父の和夫が国の払い下げを受けて始めた農場に建てられた神社だ。鳩山首相実現となった時には、その運にあやかりたいとて調子者が増えたと言うが、今時ではどうか。ナンニシテモ富士山が登録と決まれば一挙に登山者が増えと、まあ物見高い連中は日本人と限った訳でもなかろうがね。

○月○日 松山の栗原女史からの手紙にマチュピチュへ行った友達の事が書かれていた。私も1911年にマチュピチュをみつけたエール大学の考古学者ハイラム・ビンガムの本を読んで、行ってみようかと思ったことはあるが、行った人の話しでは高山病の頭痛で難儀したと聞いて、それは嫌だと行く気は失せた。それよりも、ペルー政府がアメリカを訴えた「4万点の遺物を返せ」の裁判が気になるところだが、その後どうなったろうか。なにしろビンガム曰く、「返却する条件でぺるーから持ち出しを許可された」なのだけど、それがそうでない訳だから。